あまりにも仕上がりが悪すぎた、『I've in BUDOKAN 2005 -Open the Birth Gate-』のライブDVD。
その汚名を返上すべく、新たに生まれ変わった『I've in BUDOKAN 2005 ~COMPLETE EDIT~』の販売、および無料進呈が、去る11月10日より開始されました。
私は、アニメイトさんの店頭にて新盤DVDと交換してきたのですが、パッケージのあまりのショボさに愕然。
商品の性格上、仕方のないことだと割り切るしかありませんが、それにしても、これはあまりにも酷い。
表紙は紙切れ一枚でもいいですから、せめて、ブックレット(マニュアル)は出しやすい定位置に収めて欲しかった……。
さて、本編に大幅な再編集が施された、この新盤DVD。
せっかく旧盤が手元に残っているので、今回は、数ある楽曲の中から、(1) Last regrets / Ayana、(2) 鳥の詩 / Lia、(3) Second Flight / KOTOKO with Sato Hiromi、の三曲をピックアップして、旧盤と新盤の違いを比較してみました。
まず、三曲すべてに共通している点ですが、新盤のほうが、客席からの歓声がリアルに伝わってくるようになっていますね。
また、楽器の音も、ラインから直接録音したような音から、ライブ会場に響いていたものを録音したような音へと、劇的に変わっています。
更に言ってしまうと、各アーティストのMC、およびエンディングでの挨拶などを収録したことにより、感情移入がとてもしやすくなっています。
これらの手直しのおかげで、ライブの臨場感をより強く味わえるようになり、見応えがグッとアップしました。
では、続けて楽曲別の新旧比較へと移りましょう。
(1) Last regrets / Ayana
一聴してわかるのが、コーラスが重なったときの不自然さがなくなったこと。
旧盤では、コーラスがやたら強調されていたのですが、新盤では、マイクとコーラスとのレベル差が小さくなり、かなりナチュラルな聴こえ方になりました。
一方、「色彩などの向上を実現」させ、「やや圧縮率を高めている」という映像ですが、私の環境下では、旧盤よりむしろ画質が悪化してしまいました。
確かに、色彩は若干よくなったかなぁ、と思えなくもないですが、差はほとんど感じられませんでした。
(2) 鳥の詩 / Lia
この楽曲、新盤ではかなりヴォーカルが良くなっていますね。
旧盤と比べるとその差は歴然、明らかにヴォーカルが前に出ており、非常に聴きやすくなりました。
また、間奏でのハミングや、2コーラス目の客席からの声援がよく聴こえるようになり、ライブ会場の雰囲気に浸ることが出来ます。
このあたりのミキシングは、上手くやり直してくれたなぁ、と。
他方、この楽曲では、ハンディカメラによるマルチアングルが追加されているのですが、舞台中央に出てきたときのアップは、客席から見えるそれと近いもので、捨てがたいですね。
デジタルっぽさは全開ですが、ハンディカメラのほうがノイズ感がないので、見栄えが良く感じられます。
(3) Second Flight / KOTOKO with Sato Hiromi
この曲、ぜひとも聴き比べてみてください。
なんせ、旧盤に収録されているヴォーカルはCD音源のもので、ライブ音源のものではなかったのですから。
……と、偉そうに言ってみたものの、聴き比べるまで確証はなかったんですけどね(汗)。
新盤にライブ音源のヴォーカルが収録されたので、比べて納得。
ライブでテンションが上がっているからこその、ちょっとした音程の上擦りだとか、そういった部分は、むしろ修正しないほうが観ていて気持ちいいものです。
ハプニングもライブのうち。
私はそう思っているので、ライブ音源収録へ踏み切ったスタッフ、およびアーティストの方々の決断に、心からの敬意を表したいと思います。
――以上、たったの三曲だけですが、比べてみるとかなりの違いがあることがわかります。
言い換えれば、それだけ気合を入れて再編集したという証が、こうして現れているのでしょう。
旧盤をお持ちの方は、ぜひ新盤の無料進呈を受けてみてはいかがでしょうか。
少なくとも、旧マニュアルと交換するだけの価値はあると、私は思います。
■ 『I've Budokan2005』 (I've in BUDOKAN 2005 DVD 公式サイト)
●Amazonアソシエイト